心の瞳で君を見つめれば

 この時期になると坂本九の「心の瞳」を聞き直す。日航機の事故により、歌手としての絶頂期に急死した坂本九は、子どもの私にとっても本物と思えたエンターテイナーだった。明るく優しい人柄は歌からもトークからも感じられた。人形劇、八犬伝のナレーターとしても憧れの人物だった。

 「心の瞳」は事故の数ヶ月前に発表され、テレビ放送では歌われたことがないようだ。ただラジオ番組ではこの事故の直前に収録されたものの中で歌唱している。動画サイトでそれを聴くことができる。

心の瞳、最後の歌唱

 優しい歌詞、歌いやすくしかも感情移入しやすいメロディと、坂本九の声が見事にマッチした名曲だ。

 その後この曲は合唱曲に編曲されて中高生を中心とした世代に歌い継がれてきた。その世代が歌うと歌詞の意味が多少変わるがそれでも不自然さはない。むしろ新しい意味合いで再評価される。

 坂本さんがもう少し歌手として活躍していればもっと大きなことをなさったはずだと思うと痛切な気分になる。この歌を私も口ずさむことはあるが、様々な思いがそこには挟まってくる。

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