YouTubeでたまたま表示された昭和の時代劇を見てみた。いわゆる勧善懲悪の定型の内容だ。すぐに別の動画に移るつもりだったが、最後まで見てしまった。
ストーリー展開には荒いところもあり、人物造形も典型的なものの連続だ。それらは気になることであったがそれよりもなにかを引き付けるものを感じた。恐らく日本の文化に基づいたこうあるべきというすじ運びができているのだろう。落語や講談の展開と似ているからかもしれない。
悪はどこまでも悪で、それに虐げられた人々は救われるべき弱者として描かれる。そして悪役が崩壊するときの爽快感を主役が演じて見せる。こういう展開は現実にはめったにないのに、時代劇では必ず達成される。爽快なのだ。
時代劇の話には日本人の伝統的行動様式が反映されている。ある意味、これらを通して和風を学んだともいえる。いまの若い世代にはこの機会が少い。昭和のマンネリといわれた時代劇にも実は私は効用があったと私は考えている。