最低気温の方に関心が出ている。今朝などは12℃の予報で実際にもそれに近いところまで下がった。今後も10℃台の前半で推移するようだ。かなりの肌寒さを感じる。
さかんに鳴いていた虫たちも心なしか力弱くなっている。もう10月も前半が終わる。秋は夏に削られて身を細くしているのだ。気象庁によれば1898年から2019年の間に日本の観測点の平均気温は1.24℃上昇しているという。もっとも近藤純正東北大学名誉教授の研究では過去のデータには測量機器の精度の問題や、観測環境の変化による誤差が大きいため、いくつかの補正を加えたうえで0.77℃の上昇と結論している。数字にしてみればわずかだが、この小数点以下の違いでも気候の変動の影響は大変大きいのである。
2015年の国連気候変動枠組条約締約国会議で決まったパリ議定書によれば、産業革命以来、2030年までの気温上昇を2℃以下、できれば1.5℃以下にする努力をするというものだった。算定の基準があいまいなので数値的な説得力があるかが議論されなくてはならない。昨年のニュースでは昨年の世界気象機関の発表では産業革命前からすでに1.15℃上昇しており、近年上昇率が加速しているという。果たして約束は果たせるのか。
一日や一年の寒暖だけでは判断ができないのがこの問題の深さだ。今朝は肌寒いが温暖化が事実だとすればこれでは物足りないということになる。