19位

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 持続可能な開発目標(SDGs)の達成度を示す指数のランキングが発表され、日本は19位だった。昨年から1位下げており、徐々に落ちていく傾向にある。これをどのように考えたらよいのだろう。

 日本より上位の国はすべてヨーロッパの国である。欧州以外の国を拾ってみると26位にニュージーランド、27位に大韓民国、28位にチリ、29位にカナダであり、再び欧州の国が並ぶ。どうもこれはヨーロッパ各国に有利な指数のようだ。欧州を除けば日本は最もランキングが高いということになる。

 しかし、そもそもSDGsの考え方自体に問題があるようにも感じる。一つ一つの理想は高邁なものだが、結果的に「開発」を第一に考えるものであることには変わりない。現在起きている気候変動などの深刻な問題を「開発」で切り抜けることができるのかは大いに議論の余地がある。結局、何もしないことが最もサスティナブルではないかという皮肉な意見もよく聞く。

 太陽光や風力などのエネルギー開発に関してはかえって環境破壊につながるという批判が多い。今の技術ではその瞬間にはカーボンニュートラルを達成していても、製造過程や廃棄過程で今より深刻な環境問題を引き起こす可能性が高いというのだ。森林を伐採して太陽光発電システムを置いている例を見たことがあるが、これなどはサスティナブルとは思えない。

 ランキングで一喜一憂するのは読み物としては面白いが、本質を考えておかないと間違いを犯す。19位はどのような意味なのかをもう少し考えてみたい。

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