自民党の総裁選挙が行われ岸田文雄氏が当選した。議院内閣制に馴染みがない国の皆さんにとっては不思議かもしれないが日本国民は自分の首長を自ら選ぶことはできない。だから、総理大臣に対しての意識がかなり屈折している。自分のあづかり知らないところで選ばれた人という意識が常に付きまとう。
自民党はよきもあしきも日本の社会構造の縮図のような組織だ。国会議員たちは空気を読んで行動する。つまり自分の主義主張より、周囲との調和の方を重視するため普段からあまり自己主張しない。したとしてもこのようなときにはあっさりと大勢に調和してしまう。だから党全体としては大失敗はしない。代わりに飛躍的発展は望めない。
日本のこのようなあり方はどうなのだろう。おそらく、短期的もしくは中期的な局面においては著しく危険だろう。新機軸を出せないままひたすら衰退していくしかない。一度衰退が始まると様々に波及してその深刻さは顕著になっていく。
逆に考えれば失敗はしないことは、最低限の水準で消滅は逃れる可能性はある。冒険をしないことで損害は逃れられるという楽観的な考えだ。これから発展していく国にはよく考えてみれば数々のリスクがある。それを乗り越えられるのかは誰にもわからない。堅実路線を行ったほうが最終的には生き残る可能性もある。
自民党を選ぶのは日本国民の冒険しない国民性の心的傾向を体現しているとも言える。実は自民党にはいくつもの派閥があり、野党の役割を党内で果たしている一派もある。日本には政権を担当できる野党がないので、その代わりを果たしているのである。
それでも私は今のままでは行けないと思う。岸田次期首相には嫌われ者になっていただきたい。日本を改革するためには首相が行動を起こさなければ始まらない。変革者はたいてい嫌われる。それでも停滞しているこの国をなんとかしなくてはならない。直接、選んでいない代表だがなるからには相応の働きを期待したい。
