日本が太平洋戦争に敗戦してから75年目となった。戦争という言葉が年々実感のないものになっていく中で、考えなくてはならないことが増えている。
75年は人の一生に相当する長さがある。戦争を実感できる年齢になるにはさらに数年を生きる必要がある。日本人は長寿ではあるが、さすがにこの年月は過去を風化させるのに十分な長さだ。
戦争が様々な悲劇を生むことは分かっている。無差別に多数の人を巻き込んでしまう恐ろしさは誰もが承知している。それどころか人類の歴史そのものを消滅させる可能性すらある。それでも人はいまだに戦いを止めない。情報化が進んで知識が敷衍しても変わることができない。
日本は世界唯一の被爆国だ。そしてこの事実はこれからも変わってはいけない。その事実は変わらなくても、そこに住む国民の考えは少しずつ、しかも確実に変化している。反戦は積極性をなくし、むしろ思考停止のきっかけになっている。学ばなくてはならない。現実的と称するあらゆる戦争論に対抗する準備が必要だ。