萩生田文科相の不適切発言が決め手になったのか大学入試における外部委託制度の適用が延期になりそうです。
英検やTOEFL、GTECなどの英語能力の民間検定試験を入試に組み込もうという動きは、来年度から始まる新しい入学試験の改革の目玉でした。話す、聞くといった要素の測定が従来の試験では不十分だという反省に基づいています。
ただ、企業としての民間検定試験機関に大学入試の一端を任せるのには大きな問題があります。決して安くはない検定料の問題、試験会場が大都市にしかないというもっと大きな問題があります。試験を受けるために会場のある都市まで移動し、場合によっては宿泊して、試験料を払う。それだけの余裕がなければ成らないことになります。
東大を始めとする多くの国立大学がこの試験に求める水準は実はそれほど高くはありません。決め手にならない外部委託試験に高い費用をかけることも大きな問題でした。英語の4技能を高めるという理想と運用に関する問題が埋められていないのです。
身の丈に併せて進路を選べと解釈される大臣の発言は教育界ではもっともなされてはならないものです。