ラグビーワールドカップ日本大会が開幕しました。先の大会から日本チームは勝負ができるチームとなり、強豪を倒したことは話題になりました。今回も1勝をあげ、期待が高まっています。
ラグビーのナショナルチームは国籍によるものではなく、その国との縁の深い人たちで構成されています。だからカタカナの名前や、様々な肌の色の人たちが並びます。日本人チームではなく、日本代表となりたい人たちのチームなのです。
我が国は単一民族国家のように多くの人が考えています。島国で他国から隔絶されているため、このような感覚が共有されています。しかし、太古の時代からこの国の人々は幾多の融合を繰り返してきました。その程度は時代によって濃淡はあるものの、決して純粋培養してきたわけではないのです。
にもかかわらず、日本が独自のアイデンティティを保ち続けているのは、民族や文化の融合力の強さに起因するのでしょう。異質のものを完全に排除せず、むしろ積極的に関わることで独自の文化を創出してきたのです。その結果生まれたものが日本文化であるということもできます。
ラグビーの日本代表の戦術が独自なものであるのならば、それを文化のメタファーと考えることができます。カタカナ選手がトライを決めたとき、日本文化は新たな局面を開くのです。