漫画に見られる輪郭線を軸とした描き方は、私たちのもののとらえ方の一面を示したといえます。わずかな線の組み合わせで喜怒哀楽を表現し、遠近感が描き出されるということは、そのように私たちが対象を把握しているということなのでしょう。
レンブラントのような詳細な絵と漫画の一コマでは情報量がまったく異なるのにも関わらず、最小公倍数的な共通点はあって、いずれにも感動することができます。おそらく芸術性という点を問わないならば両者に共通する何かがあるからでしょう。
私たちが対象から何を感受して何を見逃しているのかを絵画や漫画は考えさせてくれます。絵の具を散らしたような抽象絵画にも感じとれる何かがあるのは、線がなくても表現ができるのか、あるいは鑑賞者が自由に空想の線を引くことができるからなのか。
この問題を考えるには冷静に自分の認知のメカニズムを考え直してみる必要があります。
