ネットに浸っていると情報の洪水の中で何かが麻痺してしまいます。画面に表示された情報に接しているだけで自分が満たされているような錯覚をしてしまうのです。
冷静に考えれば画面上に表示されたことはすべて他人にとっての出来事であり、私自身とは関係がないものです。関係を持つかどうかは自分の判断がはたらいた後で起こることであり、表示されただけでそれがまるで己の世界のことのように考えてしまうのは大いなる錯覚というものでしょう。
このような状況に陥らないためにも、自らの言葉で世界を語る努力を私たちは怠ってはいけません。自分のつたない言葉で描ける世界は確かに少ない。でもそれを続けることで、自分という人間を世界の中に位置づけることができるのです。私が発信にこだわり続けるのはそういうことにあるのです。