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林間都市

 私が大変お世話になっている町に中央林間がある。東急田園都市線の終点駅だがなぜか中央を名乗り、しかも林間とは何とも不思議な名前である。これは実はこの町が人工的な計画都市であることに関係する。

 中央林間駅付近の道路を俯瞰すれば、それが意図的に建設されたものであると分かる。昭和の初めごろ、小田急が都市開発のために林間都市構想のもと、雑木林を切り拓いて宅地造成を始めた。東急の田園都市構想に倣ったものとも言われている。田園より奥の林間といったところか。

 この辺りについて評論家の唐木順三は林間というより森の趣きがあり、紅葉の季節には御伽の国のようであったと述べている。ただ、開発は意図に反して進まなかったらしく、都市となるのには時間がかかったようだ。その後、小田急江ノ島線が快速急行で新宿までを結び、東急が渋谷や大手町までを乗り換えなしで結ぶと急成長することになった。

 鉄道会社が都市開発の核となることは全国各地で見られる。人口減少時代に入って郊外都市の需要は相対的に低下している。ただ適度な人口分散のためには、やはり都心だけに集中することは好ましくない。

 少し尺度を変えて考える。日本の人口集中の程度を可視化した地図を見て驚いたことがある。横浜市より人口の少ない地方自治体を色塗りすると、日本列島のほとんどが彩色されてしまうというのだ。もともと日本は関東地方に人口が集中する傾向にあったが、人口減少局面においてそれが顕著になり、一部の自治体が限界集落化しつつある。

 過疎も度を過ぎると様々な問題があるが、過密もそれ以上の問題をもたらす。適度な人口分散を促す政策は不可欠だ。そのためには関東地方でなくても不利にならないインフラの保障がいる。何も窮屈な満員電車に精神を蝕まれる必要はない。リモートワークができる業種は東京に固執して高額の固定資産税を払い続ける必要はない。

 かなり脱線したが本当の意味での林間都市は関東地方や現在の人口集中地域以外にも展開しうる。テクノロジーの力を借りて地方に住むことが決して不利にはならず、むしろ精神的に充実し、イノベーションも起こりやすくすることを考えるべきだ。若者が各地域で生き生きと活躍できることこそがこの国の発展の条件ではないか。

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