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若葉のグラデーション

 絵心は皆無だが是非描きたいと思うのがいまごろの木々の若葉である。実に繊細で複雑だ。すべてが異なりながら、どれも同じような形をしている。

木の絵を描きたい

 水彩でも油彩でも入門書を立ち読みすると、こうした木々の描き方の指南がある。その通りに真似てみるとなるほどそれらしい絵になりそうだ。ただ、これは木を描いたのではない。木を見て森を見ず、という言葉があるが木さえ見ないで木を描くということになる。

 しかし、本当に見たままの木を描くことはかなり大変なことだ。一つ一つ違う葉の有様をどのように描こう。描きながら刻々と変わる自分の感情をどう制御すればいいのだろうか。

 それでもいつかは自分の目で木を描くことを夢見ている。恐らく、他人が見たら何の絵か分からないものになるかもしれない。ただ、ゴッホの糸杉のように、それがどうであったかより、どう見えたのかの方が大切なのだろう。

 若葉のグラデーションを描くことを目標に加えることにしたい。

画像生成

 人工知能を活用した自動画像生成ツールがある。静止画のレベルならば写真と見紛うほどの質の画像が瞬く間に完成する。恐らく既存の人気画像の要素を取り込んでいるのだから、それを合成した生成画像が満足感の高いものになるのは必然なのかもしれない。

 言葉に関心があるものとしてこのシステムには非常に興味深い要素がある。それは作画の指示を言葉によって行うことである。例えば、若い、男、爽やか、カジュアルな服といったようにフレーズを並べる。またそうであってほしくない要素も指定する。例えば不潔、悪党、入墨などだ。これらの要素を除いて作画するのだ。

 絵画が言語によって指定されるのは人間の認知行動の本質に触れているのかもしれない。実際の絵画は画家の長い時間をかけての修練が不可欠だ。だが、何を描こうかと思う出発点は言葉なのかも知れない。

 ならば優れた絵を描こうとするならば操れる言葉の種類が豊富である必要がある、これが少ないと類型的で単純な絵しか生まれない。人間の認知行動や表現行動を可視化したものと思われる。

 いい絵を描けるように、つまり多彩な表現や行動ができるように使える語彙を増やすことが大切だ。これは生徒に対する分かりやすいメッセージになる。