毎朝通過する車窓からの風景の大半は住宅街だ。しかもかなり密集していてこの方面の開発が成功したことを意味する。
子供の頃もこの辺りに住んでいたがもっと緑が多かった。雑木林が点々と残り、そこにはいろいろな動植物がいたと思う。今残るのは緑地であり、管理下にある非住宅、非商業地帯である。散歩できるように頻繁に手入れが入るため、かつての禁足地的な雰囲気はない。
安全性や周囲との関係性を考えると雑木林は都合が悪いのだろう。便利とともに多くのものを失った。ビルや住宅の群れをブナやらシイやら、さまざまな雑木の幻影としてみると不思議な感慨に包まれてしまう。