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山藤

八王子市 片倉城址の山藤

 ふらりと近隣の市の城趾に来てみた。早朝ゆえ人影は少なく、ひっそりとした山城を訪ねた。急な階段を登って本丸跡と呼ばれる空間にたどり着くと山藤の見事な株があった。鮮やかなしかも派手すぎない色彩は少々敏感になっている心に染みた。

北千住

 北千住には小学校に上がる直前まで住んでいた。親が東京での生活を始めた借家があったのだ。

 年齢が年齢だけに覚えていることは少ない。隣に同年齢の少年がいたのは心強かった。下町ゆえいろいろな住民が雑居していたようだ。近くにほうきを作っている工場があり、演歌歌手の住まいもあった。ヤクザなので近づかない方がいいといわれていた家もあった。当時相当売れていたか歌謡曲の作曲家の大きな屋敷があり、白い犬を飼っていた。その犬に噛まれて嫌な思いをした。入り組んだ細い道は蝋石で落書きする遊び場になった。ローラースケートをして転んで擦りむいた。

 断片的な記憶が浮かぶ。中には混同したり、事実とは異なることもあるのだろう。いま北千住はかなりきれいになり、かつての場末感はなくなっている。

地域力

 コミュニティ・スクールという考え方がある。地域の住民、団体、企業が協同で学校と連携して子どもたちに有益な活動を提供するというものだ。基本的に賛成である。

 学校だけに教育を任せることには限界がある。特に多忙を極める教員の効率が低下しているのは大問題だ。教育立国と言っても過言ではない日本の教育が、いくつもの任務を兼任し、片手間で授業をしている(そうせざるを得ない)教員に委ねられているのは早急に改善すべきだ。

 教科以外の教育、例えば地域の産業や歴史に関する知識などは、訓練を受けた地域の非教員にまかせてもよい。心の悩みなどの相談相手、保護者対応なども場合によっては地域の応援で可能だ。学校を地域住民の語り合いの場にすればいろいろな問題が解決できるかもしれない。

 ただ、学校という場の特殊性も考えなければなるまい。日常の秩序から距離をおいた学びの場であることは忘れてはいけないだろう。誰にも努力すれば機会が与えられる空間を学校は用意しなくてはならない。

 少子化の中で人々が次世代の教育に関心を持つことは大切だ。地域で互助の環境が具現化すれば、子育ての不安が軽減して出生率が上がるかもしれない。地域の安全性、治安も向上するだろう。

 学校と地域の連携システムは管理監督をどうするのかといった問題を克服してぜひ実現するべきである。

地産地消

 現在ほど地域経済の力が試されている時代はない。コロナウイルスや地勢的要因のためにグローバル経済に制限があると、それに依存している人や企業は大きな痛手を受けることが実態化しているからだ。

 この事態を改善するには地域経済のサイクルを見直すことが欠かせない。お金を地域で回すことにもっと関心を持たなくてはならない。それによって今回のような事態に対処できる下支えができるのだ。

 もちろんそれだけでは閉塞してしまう。また、革新的な商品なり商業スタイルも生まれにくい。すべてを内需にするのは非現実的だ。ただ一定のシェアを地域経済に置くことの意味を考えさせられている局面にあることは自覚しなくてはならないのではないか。

中央林間図書館

 神奈川県大和市の中央林間図書館は東急ストアなどの複合商業施設の中にあります。蔵書は少ないですがショッピングをしたついでに気軽に立ち寄れるなかなかいい場所です。

 図書館のあり方については各自治体で様々な試みがなされています。中央林間図書館の場合は気軽に利用できる点で優れています。図書館というと私語厳禁の密室的な雰囲気がありますが、ここはショッピングセンターの中にあるためかなり開放的です。図書館とタイアップした星乃珈琲店も隣接しており、おしゃべりやコーヒーと読書とを両立できる空間まで用意されているのです。

 最近は労働時間の短縮のために職場を早めに引き上げる必要がありますが、その時間で資格取得のための勉強や趣味の読書をする人も増えているようです。そんなときに気軽に利用できる図書館の存在はありがたい。私もこれからしばしば立ち寄ることになりそうです。

ローカルバスこそ位置情報を

 先日、茨城県の路線バスに乗る機会がありました。駅前からの乗客は私を含めて2名だけでした。私の降車する一つ手前の停留所で一人乗りこみましたが、私とともに駅から同乗した一人も降りましたので、客は一人だけになってしまいました。こんな光景はどこにでもあるのでしょう。でもいかにももったいない。いわゆるロケーションシステムを普及させればもっと利用者は増えるのではないでしょうか。

 地域社会にとってバスは欠かせない交通手段なのですが、いかんせん本数が少なくいつ来るのかもわからない不安感があります。私の乗ったバスも一時間に1本の割合で朝と夕方を走るだけであとはなし。乗りたいときに乗れないのです。公共交通機関がおぼつかない地域では自家用車の利用者が多いのですが、その理由の一つがバスは当てにならないということにあります。ただ、今後急速に進む高齢化社会の中で自家用車を使えない世帯も増えてくることは確かです。やはり公共交通機関は地方社会の不可欠な生活の軸であることには変わりありません。

 バスをもっと利用しやすくするためにも今バスがどこを走っているのかが分かりやすく示される必要があります。すでにいくつかのバス会社がバスロケーションシステムを導入していますが、利用者の多い都市部での提供が大半であり、地方路線ではほとんど活用されていません。私はむしろ他に交通機関がない地域こそこのシステムを導入し、積極的に利用者を増やしていくべきだと考えます。こうした地域には高齢者が多く住んでいますが、彼らにも使いやすいシステムを考えるべきです。スマートフォンで情報提供すればいいというのは高齢者を考慮に入れていません。もっと分かりやすいインターフェースを考える必要があります。

 自宅のテレビにバスの位置を映し出すシステムは容易に実現できそうです。地域のCATVなどでは実現可能でしょう。そのほかにも何か方法があるかもしれません。また町の掲示板にバスの位置を簡易に示す情報を作ることも検討する価値があります。こういうのはいくらでも方法があるはずです。コスト面の問題もありますが、広告収入などの活用で運用する方法も考えるべきです。

 そしてやがてはバス利用の予約をすれば路線の中で発車時間を融通してくれるシステムも可能かもしれません。その際にAIが活用されるかもしれませんし方法は何でもいい。地域の動脈を生きたものにすれば首都圏などへの一極集中を避けることができるし地方経済の発展にもつながります。その一歩としてほとんど来ないしどこにいるの変わらないバスを、使える交通機関に変えていくことを提案します。

相次ぐ閉店

近隣に大型ショッピングモールがまもなく開業します。人口の割には買い物が不便な地域であったのが一挙に解消される予定です。一方でこのことろある種の店舗の相次ぐ閉店という現象が起きています。

 閉店しているのはコンビニエンスストア、ガソリンスタンド、ビデオレンタル店、それにデパートなどです。ここ数か月の間に急になくなってしまいました。この先に閉店することを告知している店もあります。その中には次のオーナーが決まって別店舗として再開することが決まっている所もありますが、放置されていたり、取り壊されて更地になったことろもあります。

 今後の経済を象徴するかのような縮小現象を目の当たりにすると、大型ショッピングモール開業に浮かれることができないのです。生活の細部を支えてくれた近所の店は消え、少し遠い大型資本の企業が総取りする。どこかで読んだような事態が身近で起きているのです。

 最終的にはあるもので間に合わせるしかありません。消えていくものを惜しむことはできても止めることは難しい。ただ、本当に必要なもの、いい仕事をしているものについては支援をしなければなりません。売っている商品がコモディティ化しても店の立地や雰囲気などは置換できないのです。

 本当に必要なものを必要な店から買うことが私たちにとっては最終的な利益につながることを考えなくてはなりません。

南町田改装

改装の進む南町田駅

 東急田園都市線の南町田駅の改装が進んでいます。11月にオープンする近接のグランベリーパークという大型商業施設のために駅も変わることになりました。南北を分断していた鉄道に自由通路を渡してその中央に改札を造り、エスカレーターを設置しました。既存のエレベーターはそのまま使います。

 駅の北側はグランベリーパークの施設に直結しており、すでにいくつかの店舗の看板がかかり始めています。230を超えるテナントが入ると聞いていますが、果たしてうまくいくのか。注目しておきたいところです。

駅名は長くなります

 南町田グランベリーパーク駅と改称されて10月1日からは常時急行が停車します。ちなみに長津田、中央林間の各駅が準急停車駅になります。この辺りはいまだに人口増加地域ですから利用者には利便性が高まります。駅名が長くなることに関しては高輪ゲートウェイほどの反対意見は聞いていません。グランベリーパークという施設が実際に隣接していることや、住民以外はグランベリーパークを目的としてこの駅を使うことになるからでしょう。ただ、将来的には「南町田」か「グランベリーパーク」かその略称で通称されることになる気がします。

 https://gbp.minamimachida-grandberrypark.com/