中学生にフォークソングを知っているかと尋ねてみた。するとほとんどの生徒が知らないという。民謡と混同する者、ダンスの方を想起する者など意外な結果になった。
もっとも私の言うフォークはいわゆるニューミュージック世代以降のものであり、政治的色合いがあった先輩たちのそれは実感としてはない。かつてのソングブックには反戦ものや四畳半ものが少なからず掲載されており、練習用に歌ってみたこともある。ただ憂鬱でつまらないものであった。
おそらくいまの若い世代にフォークソングを聞かせても演歌の様に聞こえるかもしれない。分かりやすく類型的なコード進行にセンチメンタルな歌詞、私小説的世界観、単純な伴奏、そのどれもが隔世の感覚で捉えられるかもしれない。
それを嘆くわけではない。時間が経ったということである。