日本のアドバンテージを考えるとみんなで支えるという考え方に親和性が高いということではないか。現代人はかなり利己的だが、それでも仲間に対する思いやりには長けている。これは人種とか地域性とかではなく仲間と認めたものに対する気持ちだ。
これは同時に仲間でないものを斥ける排他性と表裏一体である。中根千枝氏の先駆的研究が指摘する通り、他所者に対する冷たさは日本人のもう一つの側面だ。この事実を忘れてはならない。我々は仲間としないものにはかなり手厳しい。理論的に反目しているならばよいが理由なく相手を認めないことも普通に行われる。
民族論者ではないがこうした国民性を活かすことも考えるべきことだろう。仲間に対する優しさと仲間でないものに対する冷淡さはいかにして活用すべきだろうか。様々な答えが考えられる。
結果としてみんなのために貢献できる国民性は地球市民としては益となる。つまりは地球市民という概念を獲得することが日本人の強みになる可能性があると感じている。遠い目標だが、達成不可能ではなさそうな気がする。それが日本人のポテンシャルだろう。