参議院議員選挙が公示され選挙戦が始まった。相変わらず多数の政党が乱立して分かりにくい。中にはなぜこの場に参加する必要があるのか理解できない政党もある。しかし、この選挙を無視することはできない。
多くの人が気にしているのは平和と経済の諸問題であろう。ウクライナ侵略があってから武力で現状を変えることの可能性が再認識されている。日本は敵対する陣営に属する大国と、制御が難しい独裁者の国に囲まれており、地政学的には危険である。それでは軍拡して対抗すべきかという議論にはなるまい。かつての戦争体験が生きている限りは反戦を貫くべきだ。人権を蔑ろにする悪行だ。
ロシアの現状を伺うに戦争は何もいいことはない。経済を疲弊させ、恨みを長年に渡って残す。いろいろな意味でコスパが悪すぎる。
まずは戦争に参加させないために政党選びをするべきだろう。非武装中立の夢はどうも無理筋のようだ。かと言って核武装も困る。バランスを適切に説明してくれる指導者がいる党を探したい。
さしあたってそれよりも注目されているのは経済対策だ。国際的にも顕著な低成長ぶりは、給与が一向に上がらないことに現れている。これは現政権までの流れの失敗と言わざるを得ない。安定性を重視するあまりにその場しのぎの対策を継続してしまった。
自民党への批判はよく耳にするが対案は示されているのだろうか。減税や消費税率の軽減といった話はあるが、その効果はどうなのだろう。下げたあとの世界はどうなるのか。そのあたりの中長期的な説明がない。だから野党の演説も素直に聞けない。
政治家は理想を示し、それを実現するのが仕事のはずだ。その理想が伝わってこず、何をしてくれたのかも分かりにくい。失言とスキャンダルばかりが報じられる。これでは選挙に行かない人も増える。
人まかせにできなくなっているのも事実だ。確実にダウンサイジングする我が国の舵取りに有権者は関心を持たなくてはならない。サービスはよくないがよく考えて選挙に行きたいと考えている。