
自分に未来を見通す力はない。あればもっとマシな人生を送っているはずだ。ないからいつも時勢に振り回されている。夢や希望を忘れないように心掛けたが、いつも進路変更を続けてきた。そんな愚鈍な者でも感じていた未来がある。
こどもの頃は当たり前だった買い物かごを提げている主婦の姿が、現代に現れている。エコバッグなどという名前がつき、収納可能なビニール袋だが、この姿が現れるだろうとはかなり前から予感があった。恐らく次は飲み物や液体調味料の量り売りの形態が復活するだろう。
ブランド品が法外な値段で売られていてもそれを買うことで満足していた時代があった。持っているだけでステータスのように考える人がいた。いまもそのブランド信仰者はいるが若者には少ない。経済的に厳しいこともあるが大量生産で利益を上げすぎたブランド品が、品質やデザインの優位性を示せなくなったことが大きい。数は少ないが価値は高いというものだけが高級ブランドとして認められるようになる。そして長い間使い続けられる。そういうものに価値を感じる時代が来るはずだ。
我が国の経済力が縮小傾向に向かうことは避けられない。ただし、いまとは別の価値観が生まれ、思うほど貧しくはならないかもしれない。量より質が重視され、質を保つための適度な出費は惜しまないという消費行動が円熟した国家の国民の方向性の一つとなる。