新暦の9月9日である。旧暦の世界では重陽の節供であり、陽数の重なるありがたい日だ。
一方で日本語で九は苦という音と同じであることから避けられることがある。部屋番号などで四(死)と九(苦)が忌避されるのは迷信の類によるものだが、現代でも気にする人は多い。
9月は本来いい季節だと思う。暑さが収まり海山の幸も豊かになっていく。大きなイベントもなく、ゆったりと過ごせるはずだ。しかし、実際はそうでもないらしい。9月を自殺予防強化期間とする地域は多い。転勤や新学期などで環境が変わることが過度の緊張感を生み出すからであろうか。
緊急事態宣言延長で9月はすべてコロナ対策に捧げることになった。9月が苦となるかはまだ分からない。